マウスピース型矯正装置
(インビザライン)とは

マウスピース型矯正装置(インビザライン)とは

ウスピース型矯正装置
(インビザライン)とは

マウスピース型矯正装置(インビザライン)とは

矯正治療には、一般的な装置を使うものから、機能性・審美性に優れた装置を使うものまで、さまざまな方法があります。 最も一般的な方法は『表側矯正』というもので、それぞれの歯にブラケットをつけ、そこにワイヤーを通して歯を動かします。 「矯正治療」というと、多くの方がこの装置を思い浮かべるのではないでしょうか。

表側矯正はどのような症例にも適応しますが、歯の表側に装置をつけるので、外から装置が見えてしまうという審美面の欠点があります。 そのため、歯並びをきれいにしたくても「装置が目立つから嫌だ」と、治療をためらう方がたくさんいらっしゃいます。

そのような方にお勧めする方法が、『マウスピース型矯正装置』のひとつ、『マウスピース型矯正装置(インビザライン)』です。
マウスピース型矯正装置(インビザライン)は、『アライナー』という透明なマウスピース状の装置をつけ、約2週間に1回、新しいアライナーと交換しながら歯を動かす方法です。 アライナーは、厚さ0.5mmほどの透明なポリウレタンでできているので、目立たず、見た目を気にすることなく治療を続けられます。

マウスピース型矯正装置(インビザライン)は、アメリカにあるアライン・テクノロジー社で開発・製造・販売されています。 1998年に開発されてから現在に至るまで、全世界で10万人以上の歯科医師に採用され、 累計340万人以上の患者様がマウスピース型矯正装置(インビザライン)による治療を受けるなど、信頼と実績のある方法です。

ただし、表側矯正のようにどのような症例にも適応するというわけではなく、重度の叢生(乱ぐい歯・八重歯)には適応しないことがあります。 その場合、マウスピース型矯正装置(インビザライン)単独ではなく、表側矯正など他の矯正と組み合わせて治療します。

マウスピース型矯正装置(インビザライン)での治療が可能か否かは、歯科医師が実際に診察して判断するので、治療を希望される方は、まずはご相談にお越しください。

マウスピース型矯正装置(インビザライン)は薬機法、救済制度の対象外となっています。

ウスピース型矯正装置
(インビザライン)の特徴

マウスピース型矯正装置(インビザライン)の特徴

『マウスピース型矯正装置(インビザライン)』で使うアライナーは薄くて軽いので、ブラケットやワイヤーをつける表側矯正とは異なり、つけていても目立たず、口の中の違和感がほとんどありません。 ポリウレタンでできているので、金属アレルギーの心配もありません。
また、取り外しできるので、装置のない状態で食事でき、装置に食べ物が引っかかる煩わしさがありません。 装置のない状態で歯磨きでき、装置も簡単に洗えるので、口の中と装置を清潔に保てます。
ただし、取り外している時間が長いと、治療の効果が現れにくくなるので、食事・歯磨き・アライナーの洗浄のとき以外は、つけるようにしましょう。

治療は、約2週間に1回、新しいアライナーと交換しながら進めます。しかし、その都度歯型をとるわけではなく、最初にとった歯型を元に、今後の歯の動きをシミュレーションする『クリンチェック』を行ない、あらかじめ必要な数だけアライナーをつくります。患者様の症状によってマウスピースの数が異なりますが、20~60個の間となります。そして、約2週間に1回、次の段階のアライナーと交換しながら治療を進めます。
診察は約1.5~2ヵ月に1回となり、通院回数は表側矯正よりも少なくなります。

リンチェック

クリンチェック

『クリンチェック』は、治療前に行なう歯の移動のシミュレーションです。
『マウスピース型矯正装置(インビザライン)』以外の矯正治療では、治療が完了した後の歯並びを見ることができません。 しかし、マウスピース型矯正装置(インビザライン)では、クリンチェックを行うことにより、治療が完了した後の歯並びを患者様にご確認いただけます。

治療前には必ず検査を行ないますが、まず、そこで得た歯型、レントゲン写真、口腔内写真、治療計画などの情報をアメリカのアライン・テクノロジー社に送ります。
同社では、その情報をもとに、治療が完了した後の歯の位置を正確に設定するための『クリンチェック治療計画』を立案します。 これは、希望通りの治療結果を得るうえでとても大切な工程です。
クリンチェック治療計画を立案するために必要なのが、『クリンチェック・ソフトウェア』です。 これを使うことで治療途中や治療後の歯並びすべての段階をシミュレーションでき、コンピューターの画面上でさまざまな角度から確認できます。 これにより、治療が完了した後の歯並びの調整など、治療計画の立案を簡単に行なうことができます。 修正やコメントの記入などもできるので、綿密な治療計画を立てられます。

このクリンチェック治療計画が歯科医師のもとに送られるので、患者様に画像をご確認いただきながら、治療計画を丁寧にご説明します。 この治療計画がわかると治療期間・費用が決まります。すべてにご理解・ご納得いただけたら、アライン・テクノロジー社に、患者様に合わせたアライナーの作製を依頼します。

アライン・テクノロジー社では、データをもとにデジタル3Dの歯列をつくり、患者様に合ったアライナーを作ります。
その後、治療が完了するまでに必要なすべてのアライナーが日本に送られてきます。症例によって個人差がありますが、アライナーの数は、平均20~60個となります。

矯正歯科治療について。
(治療期間と通院回数)

  • ・矯正歯科治療は公的健康保険適用外の自費(自由)診療です。
  • ・矯正治療は患者様の歯の状態によって異なりますが、治療完了までに2年から3年と長い期間がかかります。
  • ・矯正装置を装着している間は装置の調節やゴム部分の交換など行う必要があるため、装置装着後は4~8週間に1回の通院が必要になります。
  • ・また、通常の処置以外にも矯正装置の故障に対する応急処置で来院をお願いする事もあります。
  • ・矯正治療が完了した後は保定期間に入り、保定装置を装着していきます。
  • ・固定式の装置を除去した直後は歯の移動が完了した状態ではありますが、まだ歯が骨の中で安定していないため、歯が元の位置に戻ろうとする後戻りが引き起こされる可能性が非常に高い状態となっています。そのため、保定装置をしっかり使っていただくことが重要になります。
  • ・保定装置はつけている間隔を徐々に空けていくため、通院回数も矯正期間中よりも少なくなります。装置除去後1年はだいたい3ヶ月に1回ほど通院の必要があります。
  • ・歯の安定が確認できれば徐々に来院間隔を空けていき、最終的には6ヶ月に1回の間隔となっていきます。
  • ・保定装置になった後も定期的な噛み合わせの確認や管理を行なうことで患者様の歯の健康を保つためにサポートを行なっていきます。
  • ・上記により通院回数は約30回程度です。

矯正歯科治療に伴う
一般的なリスクと副作用

矯正歯科治療を円滑に進めていくためには、私どもが最善を尽くすのはもちろんですが、患者さんによるご協力と治療に関する知識を共有していただく必要があります。
矯正治療にはいくつかの起こりうるリスクと副作用がありますので以下に列挙いたします。

  • 1.最初は矯正装置による不快感、粘膜痛み等があります。数日~1週間程度で慣れていきます。
  • 2.歯が動く痛みを感じます。8~10時間後に現れることが多く、2~3日をピークに徐々に減少し、5~7日程度で消失します。程度や期間は個人差が大きいです。
  • 3.歯の動き方やその速度には個人差があります。そのため、予想された治療期間が延長する可能性もあります。
  • 4.装置の使用状況、顎間ゴムの使用状況、恒常的な通院の有無等、矯正治療には患者さんの協力が非常に重要であり、治療結果や治療期間に影響します。
  • 5.矯正治療中は、装置が付いているため歯が磨きにくくなり、虫歯や歯周病のリスクが高まります。まずはご自身が丁寧に歯磨きを行うことが基本となります。さらに掛かりつけ医等による定期的な口腔内の清掃(PMTC)や歯磨き指導など、歯科医師や歯科衛生士による定期管理受けて頂く必要があります。
  • 6.歯を動かすことにより歯根が吸収して短くなることがあります。治療上の特別な理由がなくても、歯根吸収の発生しやすい素因のある方は吸収が生じる可能性があります。
  • 7.歯肉が退縮することがあります。また、それに伴うブラックトライアングルが生じることがあります。特に叢生の強い成人の矯正治療で出現しやすいと言えます。
  • 8.ごく稀に歯が骨と癒着していて歯が動かないことがあります。骨制癒着(アンキローシス)と呼ばれるもので、外傷の既往がある場合に起こりやすいものですが、原因不明の場合もあります。
  • 9.ごく稀に歯を動かすことで神経が障害を受けて壊死することがあります。外傷の既往がある場合に起こりやすいものですが、原因不明な場合も多いです。
  • 10.治療途中に金属アレルギーの症状が出ることがあります。
  • 11.矯正治療中にも顎関節で「雑音が鳴る、痛い、口が開けにくい・閉じにくい」などの顎関節症状が出る可能性があります。
  • 12.適切な咬合関係の構築のため、歯の形態修正や、咬み合わせの微調整を行う可能性があります。
  • 13.様々な問題により、当初予定した治療計画の見直しや変更をする可能性があります。
  • 14.診断後、必要な場合には健全歯を抜歯して治療する可能性があります。
  • 15.何らかの要因で矯正装置が破損したり、その矯正装置を誤飲したりする可能性があります。装置の破損の際には、速やかにご連絡下さい。
  • 16.治療中にもエナメル質にエナメルクラックと呼ばれる微小な亀裂が入る可能性があります。これは食事や咬み締めなど様々な原因で日常生活においても起こるものです。ほとんどの場合は症状がなく治療の必要もありません。また同じく治療中にもかぶせ物(補綴物)の一部が破損する可能性があります。
  • 17.治療後、歯は元の位置に戻ろうとする傾向があり、これを後戻りと呼びます。そのため、保定装置(リテーナー)で後戻りを最小限に抑える必要があります。指示通り使用しないと後戻りが生じる可能性が高くなります。また、定期的な経過観察をお受け頂けない場合には後戻りが生じる可能性が高くなります。
  • 18.保定装置を使用しても顎の成長異常、歯周病、舌や口唇の癖、口呼吸、歯ぎしりなどにより後戻りが生じることがあります。
  • 19.治療後に親知らずが生えることにより、叢生が生じる可能性があります。
  • 20.加齢や歯周病等により歯を支えている骨がやせるとかみ合わせや歯ならびが変化することがあります。
  • 21.治療後には、現状のかぶせ物(補綴物)や詰め物(修復物)などの再制作が必要となる可能性があります。
  • 22.上下顎関係の著しい不調和のある場合には外科的な手術を併用した矯正治療が必要となることがあります。その場合は口腔外科と連携した他の矯正歯科専門医院をご紹介します。
  • 23.治療には限界があり、骨格の不調和や歯の大きさの問題から、顔のゆがみを治したり、完璧な咬み合わせを作る事ができない場合があります。また顎口腔機能に悪影響を及ぼすと判断された場合ご希望にそえないこともあります。
  • 24.矯正歯科治療は、一度始めると元の状態に戻すことは難しくなります。

マウスピース型矯正装置(インビザライン)による治療にともなう一般的なリスク・副作用

  • ・機能性や審美性を重視するため自費(保険適用外)での診療となり、保険診療よりも高額になります。
  • ・正しい装着方法で1日20時間以上使用しないと、目標とする治療結果を得られないことがあるため、きちんとした自己管理が必要になります。
  • ・ご自身で取り外せるため、紛失することがあります。
  • ・症状によっては、マウスピース型矯正装置で治療できないことがあります。
  • ・お口の中の状態によっては、治療計画どおりの結果が得られないことがあります。
  • ・装着したまま糖分の入った飲料をとると、虫歯を発症しやすくなります。
  • ・治療によって、まれに歯根吸収や歯肉退縮が起こることがあります。
  • ・食いしばりの癖が強い方の場合、奥歯が噛まなくなることがあります。
  • ・治療途中で、ワイヤーを使う治療への変更が必要になることがあります。
  • ・お口の状態によっては、マウスピース型矯正装置に加え、補助矯正装置が必要になることがあります。
  • ・治療完了後は後戻りを防ぐため、保定装置の装着が必要になります。
  • ・薬機法(医薬品医療機器等法)においてまだ承認されていない医療機器です。日本では完成物薬機法対象外の装置であり、医薬品副作用被害救済措置の対象外となることがあります。

薬機法において承認されていない医療機器「インビザライン」について

当院でご提供しているマウスピース型矯正装置「インビザライン」は、薬機法(医薬品医療機器等法)においてまだ承認されていない医療機器となりますが、当院ではその有効性を認め、導入しています。

○未承認医療機器に該当

薬機法上の承認を得ていません(独立行政法人 医薬品医療機器総合機構ウェブサイトにて2022年4月18日最終確認)。

○入手経路等

インビザライン・ジャパン株式会社より入手しています。

○国内の承認医療機器等の有無

国内では、インビザラインと同様の性能を有した承認医療機器は存在しない可能性があります(独立行政法人 医薬品医療機器総合機構ウェブサイトにて2022年4月18日最終確認)。

○諸外国における安全性等にかかわる情報

現在世界100カ国以上で提供され、これまでに1,100万人を超える患者さまが治療を受けられています(2021年9月時点)。情報が不足しているため、ここではインビザラインの諸外国における安全性等にかかわる情報は明示できません。今後重大なリスク・副作用が報告される可能性があります。
なお、日本では完成物薬機法対象外の矯正装置であり、医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。
※当該未承認医薬品・医療機器を用いた治療の広告に対する注意事項の情報の正確性について、本ウェブサイトの関係者は一切責任を負いません。